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【監獄の妖精】
 そこは俗に「監獄」と呼ばれ、多くの亡者魔物の徘徊する魔都グラストヘイムの一角。多くの戦士たちが魑魅魍魎を相手に死闘を演じ、様々な冒険譚がまことしやかに語られる、そんな場所だった。今、彼らの間で囁かれるひとつの噂が広がりつつあった。


監獄の妖精

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「監獄の妖精」(12)

--バシッィィィッ!

「ぐあっ!」
「ひっ、兄ちゃああん!」

 インジャスティスのソニックブロー *1 がついにエスタを捉えた。血飛沫を上げながら壁まで吹き飛ばされたエスタに焔が駆け寄ろうとするが、

「離れてろっ!」
「なっ!」

 脇腹をえぐられ、血を流しているにも関わらず、エスタは焔の接近を拒んだ。

(へっ、好都合……さ)

 杖を支えに、おぼつかない足元ながら、立ち上がって低く、聞こえない声でつぶやいた。

--ジリ、ジリ……

 なおもとどめを刺さんと、距離を詰めるインジャスティスの集団を、やはり痛みを堪えながらも睨み付ける。

--ヘブンズドライブ

 低い声での短詠唱、それゆえそれほどの魔力を練る暇はなかったが、今まさに無数の凶刃を放とうとするインジャスティスの足元を狂わせるには十分だった。その隙を突いて壁を蹴ってよろめく魔物たちの頭を越える。

「ファイヤーウォールっ!」

 空を舞いながら、エスタが放った火壁は、慌てて振り返る魔物たちを襲った。

「まだだ、ファイヤーウォー!」

 先ほどのエスタとは反対に、背後を壁に塞き止められた魔物たちは、続けさまの火壁の連撃に逃げ場を失い、なすすべもなく劫火の餌食となった。

 とはいえ、自ら身を投げ出すように空を跳ねたエスタはそのまま床に激突し、うつ伏せに倒れこんだ。

「ぐあっ……
「エスタ兄ちゃん! 大丈夫?」

 血まみれとなった兄の姿は、焔を動揺させるには十分過ぎるほどだった。

(こ、これなら……

 少々、いやかなり無謀ではあったが、噂の妖精を引きずり出すには十分すぎる状況だったはず。自ら深手を負う危険は承知の上のエスタだった。その狙い通り、

--ボワッ

「あ、妖精さん!」

 ヒーリングの燐光が伏せたエスタを包んだ。焔がその主を視認はしたものの、すぐに消えていなくなってしまうのが「監獄の妖精」と呼ばれる謎のヒール魔だ。しかし、淡い光に包まれ、その姿も曖昧なそれは、今回ばかりはいつもとは様子が異なる。

--!

 すぐに姿を消すと思われた妖精は、今しばらくその姿を留めた。

「な、なんでなのだ?」

 焔は見た。その妖精の表情を、ぼやけてはいるが、明らかに驚きの表情でエスタを見ているように思えた。

「ぐっ……
「エスタ兄ちゃんっ!!!」

(そんな……傷が癒えてないのだっ)

 確かにエスタはヒーリングの光に包まれたはずであった。いかな深手を負っていようとも、その聖なる御業によって癒されたはずなのに。

 動きは、焔よりも謎の存在の方が早かった。伏せるエスタに覆いかぶさるように近づいた妖精は、何度もヒーリングを施し、なお効果の無いことに焦る姿が明らかだった。

「よ、ようやく捕まえた……な」

--ドサッ

 傷のために力なく、それでもエスタは両手で体を支え、件の妖精を目の当たりにすべく壁を背に体を起こした。
 エスタは、このとき初めて、妖精と噂された存在の姿をはっきりとその目で捉えた。

「な、なんだ……可愛らしい、あ…アコライトじゃないか……

 傷ついた戦士を突然のヒールで癒しては姿を消す、人騒がせではあっても決して悪意のある行動ではない。もやのような光に包まれたその姿は人ならざる者を連想させたが、今目の前にある、謎の妖精は、密かな笑みを浮かべているとされた存在ではなく、驚きとも不安ともとれる、人のもつ様々な表情を返した。

 姿形は聖職者見習いであるアコライトそれ。
 金色に輝く長髪は薄暗い監獄の中にあって揺らめくように広がり、見るものに幻想的な光景となって映った。

 今、深手を負って横たわるエスタの前に、監獄の妖精はその姿をあらわした。


----監獄の妖精(13)につづく

*1 ソニックブロー。実はアサシンという職のスキル。8回もの打撃(カタール)による連続攻撃で、防御力の弱い職であれば、一瞬で瀕死状態にまで追い込まれる。


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