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【監獄の妖精】
 そこは俗に「監獄」と呼ばれ、多くの亡者魔物の徘徊する魔都グラストヘイムの一角。多くの戦士たちが魑魅魍魎を相手に死闘を演じ、様々な冒険譚がまことしやかに語られる、そんな場所だった。今、彼らの間で囁かれるひとつの噂が広がりつつあった。


監獄の妖精

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「監獄の妖精」(14)


--ガキッ!

 突如、エスタ目掛けて振り下ろされたリビオの爪は、薄紅色の光に阻まれた。セイフティウォール……、あらゆる物理攻撃を跳ね返す鉄壁の防御壁魔法がエスタを救ったのだ。
 続けて強力な退魔魔法の詠唱が響き渡る。

「マグヌスエクソシズム! *1

 この連携は、間違いない。

「アークか?」
「兄ちゃんっ」

--バリバリバリッ

 悶絶するリビオは、聖なる退魔魔法によって跡形もなく消滅していった。こと悪魔に対しては、エスタより遥かに強力な攻撃力を誇る、一家の中で唯一のプリーストである弟のアークが姿を表した。いや、アークだけではない、同じく弟であるアルケミストのジーンも一緒だ。

「ポーションピッチャーっ! *2

 ヒーリングの効かないはずの今のエスタに、ジーンは直接ポーションによる回復を行った。

「大丈夫? エスタ兄ちゃん」
「ジーンまで……いったいどうした?」

「どうした、もないっしょ? 心配だから見てこいってリオン兄さんに頼まれたんだ」
「そうそう『あれでドジなところがあるから、必要なら助けてやれ』って言われたのさ」

「そ……、そうか。お見通しかよ、かなわないなぁ」

 頭を掻いて納得するエスタに、二人の弟が続けた。

「ところで」
「ん?」
「その……とんでもなく可愛いアコライトはいったい?」

「え? うあっ!」

(えぐえぐ……よかった)

 咄嗟の出来事で、自分でも気付くのが遅れた。エスタの首にしがみ付き、泣いている妖精を見咎められたのだ。というか、

「え、あ……体は?」

(さっきはすり抜けたはず、でも重さも感じないって……

(あれ?)

 それに気付いたのはエスタばかりではなかったようだ。きょとんとした表情を浮かべたのは当の妖精の方。

「よし、こんどこそ覚悟なのだぁああああ!」
「やめんかっ!」

 再び網を振り上げた焔を、エスタはその頭を抑えて止めた。

「うあうあ、エスタ兄ちゃぁん!」

 じたばたして訴える焔を、エスタはたしなめた。

「もういいって」

「相変わらずだよなぁ、焔」
「まったくなのさ」
「ぶぅ……

「で? それが噂の『監獄の妖精』?」
「ああ」

 いきなり4人も揃ったエスタたち兄弟の注目を集める中、金髪のアコライトは少し照れるような仕草と、仲の良さそうに見える兄弟たちを少し羨ましそうに眺め、最後にエスタの方を見た。

「楽しかったかい?」

(コクッ)

 その頷きと笑顔はほぼ同時に、兄弟たち4人に投げかけられた。誰語るでもなく、別れの時が近づいたことを知る。

 いつものように突然消え去るようなことはなかった。燐光とともにゆっくりと宙に浮かび上がった姿は、妖精の名にふさわしい神々しさがあった。

「あ、名前! 名前を教えるのだ、妖精さん!」
「あ、こら焔!」

 ふと、思い出したように焔が叫ぶ。

(くすっ)

 最後の笑みは、振り仰ぐその上に向かって投げられた。同時に妖精の見やる上方に視線を向ける4人。
 誰もが失念していたとしても無理からぬこと。ここが監獄の中であることすら……

 彼らの目に映ったそれは、瞬く夜の娘たちを従え、天空に乳白色の光をもって君臨する満月の世界だった。

「うあぁああ」
「こりゃ……

 そこに天井があることも忘れ、しばし妖精のもたらした幻想に身を浸す4人が我に帰ったとき、そこはいつもの不気味で薄暗い監獄の中であった。

「妖精さん、いっちゃったのだ」
「だねぇ」

「また会えるかなぁ?」

 エスタは、この無邪気な末妹の頭をぐりぐりとなでまわした。

「そうだな、また遊んでもらえ」
「えーっ、違うぞ! 今度こそ捕まえてやるのだっ!」
「はぁ?」

「妖精さん、覚悟するのだあああああっ!」


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*1 マグヌスエクソシズム。プリーストの持つ攻撃スキルで、不死や悪魔な存在には絶大な威力を誇る。


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