MODE: GUEST
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2 (だ、誰?) 音もなく、突然そこに現れたとしか思えないようにそこに居る少女は、背格好はミサキよりはいくぶん年少に見える一人のアコライトだった。 自分を見ているのに気付いたのか、同じようにミサキに顔を向け、まるで無防備な笑顔を返した。 (なんて可愛い……) 見とれていたのは確か。きっとそのとき、ひどく間の抜けた顔だったことだろう。月の魔法にでもかかったように、しばし二人で見詰め合っていた。 ……ガサガサッ! --びくっ! 今度は明らかに違う。はっきりと草を分ける足音が近づき、気付いたミサキが顔を向けるよりも先に、その主が姿を現した。 「おやおや、いきなり居なくなったと思ったら……こんなところに居たのかい!」 「心配したのよ」 足音は1人のものではなかったようだ。傍らの少女の連れと思しき口ぶりの2人の女性だった。 あきれた顔をし、しかし抜け目のない訝しむ視線をミサキに向ける。仕立てのよいローブと、右手に携える長い杖は月の装飾をあしらった立派なものだった。見間違うはずもない、1人は長身のウィザードだ。そしてもう一人は、いったい何事だろう。普段は各地の都市の中でしか見かけるはずもない、カプラの職装…… 「え、えーと」 どう言葉を返していいのか分からなかった。不思議な感覚とともにやってきた少女と、それに続くあまりに奇妙な取り合わせの一行に、混乱していないと言ったら嘘になるだろう。 左肩にややくすぐったいような感覚を覚え、今一度隣の少女を見やる。にっこりと笑みを返すアコライトに、なかば安心し、自然と言葉になった。 「あたしはミサキ。あなた、お名前は?」 「セレン…フレイヤ。よろしくねミサキ姉さま!」 「え、きゃっ!」 抗いようのない無垢な笑顔でミサキの首に抱きついてきた少女に、むしろ驚いたのは後から来た2人の方だった。 「ちょ、ちょっと……」 「なんだなんだ?」 「あらあら、セレンが初対面の人にこんなに懐くなんて。珍しいこともあるものですね」 |
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