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TOP>小説おき場>The Night Tail Story>羅炎のゼノン - Tales of Misaki

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【羅炎のゼノン - Tales of Misaki】
 なかば追い立てられるようにゲフェンを後にしたミサキ。孤独が、そして先の見えない不安が少女を襲うようになるのに、さほど時間はかからなかった。
 そんな折、彼女が出会った奇妙な一行……それは月の明るい夜だった。


羅炎のゼノン - Tales of Misaki

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    5

「さ、サラマンダー(火龍)! こりゃまた……

 サラマンダー……、仮にも火の主精霊が初心者のマジシャンとの契約の儀に顕れるとは、シルヴィの知る限り、どんな前例もなかった。

(あたいん時はホロンだったよ)

 実のところ、精霊との契約など初めて見るであろうセレンはもとよりネーナですら知るよしもないが、シルヴィの興味の大半はこれにあった。呼び出した精霊には定まった形というのは存在しない。しかし「顕現」させるというからにな何らかの形状をしているものだ。

 それは多くは火に属するいずれかの魔物の姿となって顕れる。

 どんな姿になるかは、魔力の質や大きさに依存するというのが通説だが、術者自身が思う精霊の姿というイメージにも影響を受ける。シルヴィの場合、自分の生地のためであったろうが、精霊は「ホロン」の姿となって顕れた。
 もちろん、精霊の姿だけがその者の魔力を推し量るものではなく、将来的に自身が修行により魔力を増せば、自ずと顕れる精霊の格も上がるものではあったので、たとえ最初が最下級と目されるポリンやドロップスであったとしても、それで嘆く必要はない。


 違和感……
 セレンの態度からして奇妙ではあったのだが、この初心者には何かがあるに違いない。



「うぁ、あ……

 とまれ、周囲の驚きは無論、今この偉大なる火龍と正対しているはずの1人のマジシャンの心中はいかほどのものだったか。

(これが火の精霊)

 なにぶん、初めての契約の儀であったし、実は自分がどれほど大それた精霊を呼び出したのかについて、正確な意味を自覚していたわけではない。ただ、その大きさに驚きはしたが。

 それ以上に、こんな自分でも契約の呼びかけに応じてくれた精霊がいたことが嬉しかった。

『汝が契約の主か?』

 人語を発するはずもなく、それはミサキと周囲の人々の頭の中に直接響く精霊の問いかけだった。

「は、はい……あ、あの申し訳ありません」

『ぬぅ?』

「け、結界が小さくて……き、窮屈そうで」

(な、何言ってるんだ、ミサキのやつ)

 額に手の平を当てて呆れるシルヴィの心配をよそに、たしかに見た目は巨躯たる火龍には、この結界は小さかったようにも見えた。

『くっ、ぐぁははは……

 いまだ炎を纏う巨躯が揺れるように、それに伴って大地が震えた。

『面白いことを言う。我が身は精霊なれば、その大きさに意味はない』

「そうなんですかぁ?」

『まあよい。なれば汝の名をもって契約の契りと成すがよい』

(信じられない)

 いったいどういうわけで、精霊自らが契約の儀の手ほどきをするなんてことがありえるというのか。

 森羅にその力を顕現させる精霊は、人の知るような意味では「個体」という概念はそぐわないのだが、人との契約を重ねるうちに、似たような意識の形成が成されているのかも知れなかった。笑う精霊なんて聞いたこともない。
 この火龍は、人との契約がまったくの初めてというわけではなかったようだ。契約者の死か、あるいは何らかの理由による契約の解除によって精霊はその契約から解放されることになるが、再び他の誰かと契約することが、まったくないというわけでもない。

(普通は術者の魔力によって従わせるものなんだぞ)

「は、はい」

 びくっとして契約の儀に向かう。ミサキは、再び両手で杖を構えた。

「我が名は『ミサキ』……契約の主にして魔術師の裔に名を連ねる者、偉大なる精霊の加護を請い願う者なり。今我が問いかけに応えし劫火の主よ、この地を契約の場たるや?」

 『この地』と何度も言葉におり込み、「契約の場たるや?(認めますか?)」と問いかけの形をとるのは、目前の火龍に対してではなく、結界の場所を提供してくれた大地の精霊に敬意を表してのことだ。
 今となってシルヴィは、このマジシャンが見かけに似合わず古く格式にのった手法でこの儀を進めていることに気がついた。もとより、内なる魔力の導きに従っているわけだから、厳密な意味で定まった手法や呪文があるわけではない。その意味付けと手順こそ同じとはいえ、一語一句が他のマジシャンの契約と同じである必要はないのだが。

(案外、いいところの血筋なのかねぇ)

 この場合の血筋とは、ミッドガルドにいくつか存在すると言われる魔術師の家系、という意味だ。もちろん、いくつもの職があるように、一家から魔術師ばかり輩出するなんてことはないのだが、今でも名の残る名家もあれば、野に下ってしまってその源流の定かでなくなったとはいえ、特にひとつの職に恵まれた才能の発揮する一族というのは確かに存在すると言われている。
 ミサキ自身の素性は未だ明かされてはいない。シルヴィは、目前の光景に好意的な勘違いをしていた。

『うむ』

 満足そうに、その劫火の主は頷いたかのようだ。

『我は盟邦たる大地の精霊に謝意をもってこの地にあり、契約の儀におよぶ者なり。汝が魔力の呼びかけに応じ、我が【羅炎のゼノン】の名をもって契約の標しと成さん』

 今、契約が結ばれることとなった。

「あ、ありがとうございますっ」

『よい。月光の加護なす聖地にあって、呼びかけにざわめくあまたの精霊に先んじてこの場に赴き、今一度汝との契約の儀におよぶは、我にして僥倖たるものであったわ。我が力、汝とともに……

 その言葉とともに、ゼノンの姿はゆっくりと形をゆがめ、必要となくなったと大地が判断して揺らめく結界と同時にその姿を消していった。

 よほど以前の契約者がその魔力においても、人格においても優れた魔術師であったためであろうか。人との交わりをこれほど好意的に語る精霊が--それも主精霊の形をとるほど強大な--いたとは驚きですらある。
 それはシルヴィにして思いつくはずのない、それゆえ可能性の1つとして考えるべくもない事柄を廃した上での、極めて好意的な読み違えであった。

(今一度……

 ゼノンの発した言葉の意味を、正確ではないにしろその真意に触れたものはいない。

「ミサキ姉さまぁ、おめでとうですっ!」

 満面の喜びを浮かべてミサキに駆け寄るセレン。
 あるいはそれが要因であったのだろうか。出会ってまだ数刻にしかならぬはずの二人は、姉妹と見間違うほどの絆の深さを周囲に思わせた。

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